「子供のために」を疑う 10代の子供を伸ばす7つの知恵 (朝日新書)


反抗期の子供に対する親のあり方を述べた本である。

教育ママやパパが多いが、子供には「鶏口となるも牛後となるなかれ」で、入学後、上位三分の一に入れるような学校を勧めるべきであると。

インドの格言:
3歳までは王様として全人的に受容し、7歳から12歳は召使のように厳しく育て、15歳からは本人の自主性をにゆだねて自由にさせる。

イタリアでは:
親は世界に1組しかいない。でも、友達は世界中にいっぱいつくることができるでしょう。なのに、親が友達になってしまったら、家庭から親がいなくなるじゃないの。誰が子供を叱ったり、時には意図的に壁になって、子供の成長をうながす役割を担うの?イタリアでは、友達親子なんて、そんなバカなことは考えられないわ。


インフルエンザ パンデミック (ブルーバックス)  堀本研子

アラスカの永久凍土の中から見つかった、スペイン風邪で亡くなった人の肺からウィルスが復元されたという話は前に聞いていた。実は、肺から取り出せたのはウィルスのRNAであってウィルスそのものではなかった。著者(河岡教授)は決定されたRNAの配列からウィルスそのものを合成することに成功したのである。

 読者の中には、「2000万人以上の犠牲者を出した危険なウィルスを復元する必然性がどこにあるのか」と危惧される方もあろう。確かに、人工合成したスペイン風邪ウィルスが過失や事故によって外部に流出したり、テロリストなどに生物兵器として悪用されるリスクは当然考えておかねばならない。しかし、こうしたリスクは現実的には低い。わざわざスペイン風邪ウィルスを人工合成などしなくとも、エボラウィルスなどはるかに病原性の強い病原体が自然界にすでに存在する。また、一度感染が始まれば、インフルエンザウィルスは世界中に伝播する。特定の国家集団だけが利益を受けるようにコントロールできる対象ではない。
 むしろ、人工合成したスペイン風邪ウィルスを用いて基礎研究を進めることによる恩恵のほうがはるかに大きい。


そうかもしれないが、ある国が自国民にはワクチンを接種した上で、ウィルスを流す可能性もゼロではない。そういう時代になったのだということを認識した。

薬物依存 恐るべき実態と対応策 (ベスト新書 248)

最近は覚せい剤が「低価格化」してきたというのが、青少年に薬物依存症が増えてきた原因のひとつだという。中学生や高校生が手軽に買える金額になってきたのだそうだ。そして低価格化してきた原因というのは、供給量が増えたからという。

今年上半期(1〜6月)に全国の警察が押収した覚醒剤の量は、262.7キロと、前年同期に比べ約6.4倍の大幅増となったことが19日、警察庁のまとめでわかった。密輸の検挙者も129人で約5.2倍の伸び。 (産経新聞2009年8月21日配信)


日本に覚醒剤が合法であった時代があったという話は驚くべきことである。

しかも、単に合法であっただけではありません。政府がすすんで国民に覚醒剤を飲むように仕向けていたという話がありました。太平洋戦争がまさにはじまろうとする昭和16年に、大日本製薬から「ヒロポン」という商品名で覚醒剤が発売されたのです。(略)覚醒剤の効果の中に気分の高揚や、眠気の抑制というものがあり、その効果が戦争に利用されたのです。

そして敗戦後に大量に残ったヒロポンが横流しされて覚醒剤ブームが起きたという。

新型インフルエンザはなぜ恐ろしいのか (NHK生活人新書)

新型インフルエンザはこれまでの季節性インフルエンザと大きく異ならないということが常識となっている。しかし、著者はその考え方は必ずしも正しくはないという。

季節性インフルエンザが直接肺を冒すことはまれであるが、新型ではウィルス性肺炎を起こすことがある。これは治療がきわめて難しい。また、若い人が死亡することも多い。従来、インフルエンザでの死者というのは、死亡率が予想よりも多い部分を計算して統計的に出したものであって、年間1万人といっても身近な人がインフルエンザで死亡するという経験はあまりなかった。しかし、いま経験しつつある死者数はインフルエンザを直接の死因とするものであり、若い人が亡くなるということが社会に与える影響は大きいという。

日本の行動計画では、スペイン風邪と同じ2%の致死率を前提にして64万人が死亡するとしている。H5N1型で致死率が10%を超えることはあるかもしれないが、そのような場合に被害を最小限に抑えて社会機能を守るということは命題として成立しないという。

致死率10%ということは、3000万人が感染していた場合300万人が死亡するわけですが、それだけ多数の死亡者が出ていながら、同時に社会機能を守ることは不可能です。むしろ積極的に社会機能を崩壊させて感染拡大を抑えるしかありません。

死亡者の数を減らすためには、社会機能が崩壊するのはある程度しかたがないということです。「外出するな」。「会社に出てくるな」。「電力会社でもガス会社でも交通機関に従事していても出社するな」、と言うほかなくなります。このようにして社会機能を落とすと、それによる二次的被害もたくさん起こります。しかし、感染拡大を防ぐことを第一の目的とすると、それはしかたのないことなのです。


著者たちは、スペイン風邪よりも病原性が軽いケースについてもっと考えておくべきだったと言うが、それは今だから言えることである。むしろ、冬になって流行が激しくなればそんなことではすまないのではないかと恐れる。

レ・ミゼラブル [DVD]

ニューヨークでミュージカルを見たときにはストーリーを知らなかったので、ほとんどわからなかった。

自分の中では「モンテクリスト伯」とどこかで混同していた。モンテクリスト伯は復讐の物語であったが、レミゼラブルでは「一番大切なものは愛」である。ジャンバルジャンはジャヴェール警部にひどい目にあわされているのに、彼を逃がしてやる。

ジャヴェール警部が「なぜ自分を助けてくれたのか」ときくと、バルジャンは「哀れなものよ」という。この「哀れなもの」がミゼラブルなのだろうか。

3時間の大作。
プロフィール

Author:片山誠一
通勤電車の中で読んだ本

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